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 今日の街占は少し遅れて行うこととした、知り合いの店長が店を出すとのことを聞き、今夜が開店日なので駆けつける為である。
開店したのは下通りのビルの2階で昨年新しく建ったばかりの綺麗な、しかもそれでいて近代的なビルであり、そのビルに40坪程の
クラブを開いたのである。
 商売一家と云うか店長の兄も近くで割烹料理店をされていて、妹さんはこれまたスナックを営んでいる。

 当時の飲み屋・飲食店は女の子さえ綺麗な子を雇えば大繁盛する御時世、どこの店でも繁盛している店には皆美人が多くいたのを
思い出す。

 このクラブも15人程雇い開店したのである。内部のレイアウトや調度品も流石に長く水商売をされていた為非の打ち所がない立派
な店となった。お祝いを言い席に着くと、なんとそこには知り合いのホステスがいたのでビックリした。
 やはり酒が入ると楽しい気分になるのは皆同じ、少し酔いが回りそうになったのでいけないと思い早めに帰ろうとしたが、まだい
いではないかと引き留められる。知り合いのホステスもいるせいか暫く祝って後、御暇した。

 外に出てサウナに行くともう酔いも冷めてしまい、其の儘下通りのビルの一角にまた見台を出している自分がいた。少ししてお客
が来る、開口一番、

 「見てくれ」と手を出す中年男性、すぐに手をとり見てみると運命線が乱れていて途中で止まりこの人の障壁になっている。
そこで、
 「今は何をやってもうまく行かず根本的に考えを改めた方がいいですよ、協力者がいれば話してなんとか良い方向に持って行って
下さい」と一言も聞かずに断言したために、ビックリされて、

 「どうしてわかったんだ?」と言われたので、

 「毎日悩む人をみていますからわかりますよ」と言うと、お客は、
 「いつになったら良くなるのか?」と聞かれたので、今度は断易にて占断して、
 「あと2年ですね、2年すると運が開けて来ますから」と言うと、

 「そうか、2年か」と言い、その横顔の曇りが消えぬまま見台の上に見料を置くと新市街の方向へ歩いて帰って行った。


 それから次に来たのは男性、
 「見てくれ」と手を出すがその小指は無い、○○○と云うことがわかる。誰でも人間関係・特に内部の人間関係には気を遣うのだ。

 「どうだろうこの後の俺の人間関係は?」と聞かれたので手相では頑固な面があり人には厳しい面もあるので、一度間違いが起きると
どうだろうかと、思う面もあるので、

 「人の心の計り方が少し大変で神経を遣われるかも知れません」と答えたら、3人ほどの考えを依頼されたので断易で占断して求めに
応じて答えた。

 それから何人かの相談をうけたが今夜は疲れてしまったので帰り仕度をしてアパ−トへと急いだ・・・・・・


 次の日は阿蘇での相談が長引いたのでまたもやここ街中に出すのが遅くなってしまった。見台を出していると
 「見て下さい」と女性からの相談である。
 「わかりました、何を観ますか?」と聞けば、
 「今私のことをあることないこと言いふらす人がいてとても困っています」と言う・・・・・・・

 それをきいた瞬間男性のしかも根暗な○○が見えたのである。
 この女性に気があり何度かアタックしたものの相手にされなかったため同じ職場の者にあることないこと噂を広めているのである。
そこで
 「これはこのまま放っていたら良くないので毅然と対処しなければいけませんが、できますか?」と聞けば、

 「わかりませんけど」と言う、そこでその対処方法を詳しく話して実行してもらうことにした。どうしても止まないときはまた来る
よう伝えると、少しは明るい顔になって下通りの人混みの中に見えなくなった。

 男のなかにも女々しい人物はいるし、自分が相手からどう見られているのかも知らない。今後もこう云う男は増加していくと観た。



 続いてきた男性、人目でその関係者とわかる、○○○の世界も生死は紙一重であるが「何を拝見しましょうか?」と聞けば、やはり
今後のシノギと体の事だと言う。
 そこで手相を見れば感情線がキリっと掌を横切っている、これは一度間違いがあれば爆発する手相でもある。そこで、
 「今後は永続性はなくなり中途で方針転換をされるようです。そして健康面も酒を時々控えた方が良いとでていますが?」と伝えると
意外にも、
 そう出ているのか?」と言い、納得されたかわからぬが伝えることはできた。

 それから人間関係のことなど幾つか拝見して、特にその中の一人には注意が要りますがと、伝えたのを思い出した・・・・・・
 あとで言われたがパ○○コ屋で用心○をしているらしい。 変動のある世の中、いつ何があるかあってもおかしくない御時世・・・・


 それから7人ほど相談を享け終わったのは夜中の2時であった、今夜もすこしは人の役にたったと自負してここ下通り商店街を後にした
街占であった。


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