今夜もいつものようにここ銀座通りに占いの店を出した。人の流れを見ていると恐らく今夜もそれなりに相談者は来ると思われる。もうここに出して早15年が経過した。それなりに馴染みの相談者もできたが他の人にはどう映っているのだろうか?それなりに良い結果が出ていれば安心できるのだが・・・・・・
 するとそこに新規の相談者の御到来、顔を見れば悲しみの相が出ていてこれは深刻なことがわかる、
 「貴女は人間関係のことで悩んでいますね、しかもその関係は3ヶ月になりますね」と伝えると
 「えっ、どうしてわかるのですか?」と言うので、
 「ここにはもう15年になりますのでなんでもわかりますよ」と応えると、更にビックリした顔で、
 「今後はどうしたら良いですか、教えて下さい」と言う。そこで顔を見て、
 「これは相手の人に誠意がないのが原因なので、はっきりと拒否することですよ、でないといつまでも良いように扱われてとんでもない未来が訪れます。きちんと拒否の姿勢を貫く勇気が必要ですよ、いいですね!」と言えば、黙りこくってしまう。暫くの沈黙ののち料金を置くと足取り重そうに人混みのなかに消えて行った。



 次の相談者は年配の女性である。商売をしているようだが従業員のことでの悩みと見て、
 「商売のことですね、しかも従業員関係でしょうか?」と聞いたものだから、
 「えっ見る前にわかるの?」と言う、
 「はい、わかりますよ、拝見しますので」と言い生年月日も見れば、強い形がでたので、これはこの人があまり強く言えないのも問題と見て、
 「あまり強く言えないのも今回の原因のひとつですよ」と伝えると、
 「そうですね、もう長くいますのでね・・・」と言う。
  「そこでこの従業員の弱い月に少し話をして○○をして下さい、そうすればそれがきっかけになり解決の方向へと動くと思われます」と言えば、
 「そうなんですね、わかりましたやってみます」と言うと、明るい顔をして帰って行った。



 次に来た相談者は少し飲んでいるようだ、それが顔の赤さにも表れている・・・そこで黙って差し出すその手をとり、
 「貴方は今家族の事で悩みを抱えていてどうしたものかと考えていますね」と言えば、
 「わかるのか?」と言うので、
 「はい」と応えその手相に目がいくこととなった。一見頑固者であり自分の意思は曲げない、これが時には悪い方に働くのである。そこで、
 「時には自分の在り方・考え方を今一度振り返り対処して行かねば時に手遅れになることもありますよ」と言うと、
 「そうか、そんなのが出ているのか?」と言い、黙したが、料金を払うと下通りの人混みの中に消えて行った・・・・・



 それから6人ほど相談があり時間は深夜になった。この時間になると飲み屋関係の人の帰宅や食事デートなど流れが起きてくるのだ。そこに時々来る飲食店勤務の娘の御到来である。

 「みてもらえる」と言うがその顔には深刻な状態を見逃すハズも無く、
 「今日はお店の賃金のことと思うよ」と言えば、
 「はい実はそうなの・・・・」とのことで、拝見することにした。まだ半年の勤務らしいが他の人と比べると自分は頑張っているのにそのことが反映されていないらしい、それは不公平であるが水商売にはつきものでもある。話しても我慢出来ないのであれば移ることもありである・・・・・
 しばらく考えていたが候補があがれば見てみるからと返事すれば、
 (近いうちにまた見てもらうから・・・」と言い残し帰って行く姿があった。



 深夜でもありお客は途切れ途切れとなる。街占の定めでもあり今夜は店終いしようかと考えていると、ひとりの男が「なんでもわかるか?」と聞いてきた。こちらも「わかりますよ」と応えると、
見てくれとその手を出す。その手をとると同時に片方の手でサイを振れば火雷○○を表出、これは対人面でのトラブルが起きていることを現す。そこで、

 「貴方は人と今トラブルが起きていてその渦中にいます」と答えると、
 「おぉ!」と言い的中したことがわかり、
 「これから相手を○○しに行く」と言う。流石にそれは駄目で黙していると再び、
 「どうなるか、成功するか?」と言うので
 「厳しいと思います」と答えると、黙したまま料金を置いて帰って行ったのである・・・・・
  たまにこう云う相談があるのも街占の宿命である・・・・


続く

BACK

★現在街占は行っておりません!