龍神堂本部

昭和50年代になると日本のGDPは3.4%、51年は5.8%と成長を強めて行くが、原油高騰による庶民の苦しい台所に変わりは無く、昭和55年になると再度の原油価格の引き上げにより国内物価は更に高騰した。公定歩合も9%に迄引き上げられた。
そして自殺者の数も21503人にもなり家庭面借金生活苦が原因の人が39%、健康問題が原因の人が41%となりここにも政府の無策振りが窺える。つまり生活苦より病院に行くことも出来ず自殺を選んでしまうと云うことに繋がっているのである。

 そして今日もまた都会の街角に夜の帷が降りる頃いつものようにネオンの片隅に出店し悩みを持つ人々の相談を待つのであった。

 「こんばんわ、観て貰えますか?」と女性の依頼人。観ればOLさんのよう、「はい、どうぞ、何を占いましょうか?と聞けば

「最近少しも良いことがなくて・・・」と言われる。そこで「仕事と異性の事でしょう」と伝えると「えっ、どうしてわかるんですか?」
と、びっくりの様子。
 瞬時に相談者を見抜けないようではこの仕事は務まらない。そしてまた安心して戴くということも大事であるしそこに信頼
が生まれる。

 詳しくお聞きすると仕事のノルマがきつくもうやって行けそうにないとの愚痴を言われる。生まれ星では職業婦人運が観てとれるが本人にはそれよりも異性の事の方がもっと大事である。先に仕事をみればどうもこの女性に辛くあたる上司の出現である、そしてその上司は女性である。そこで「貴女の上司である女性が貴女に辛くあたるのは異性が絡んでいるからです」と断言したが、果たして返事は?

 それを聞くと再び「えっ!」と言いびっくりした顔をされ「やっぱりそうですか」との返事を貰ったのであった。
 同じ会社に勤める男性と交際を始めた頃より何か変な気がしていたとの事で納得されたようであった。上司の嫉妬が原因であった。
 「勤めは年内で辞め交際している男性との新しい人生が始まって行きます」と伝えると嬉しそうな顔をされて帰って行かれた。

 いつの時代になっても不可解なのは男女の仲、お互いの気持ちの探りあいの中から嫉妬や疑念が生まれ変化して行く。


 続いての相談者は男性。手相を観てくれと言う。「はい」と答えて拝見すると真っ直ぐに横切る天紋が目に付くがそれよりもこの男性からは血の匂いがするのである。慎重に言葉を選び「今思っておられる事には危険が付き纏いますが」と答えた。

 この時は厳しい反応を示されるであろうと考えていたが意外にも「そうだろうな、それはわかっている」と言われる。
しかしどうしても行動する決心は固いと観た。
そしていくつかの事に答えると見料を机に置き、さーっとネオンの中に消えて行った・・・・・・・・・・ 


 
今迄も死人の匂いや血の匂いに遭遇することがあったが、或るとき知り合いの人が経営している会社に出掛けたが、そこで再びこの死人の匂いがしたので社長に伝えると知り合いが重病だと聞かされたが、その数日後やはり亡くなったとのことであった。

                                             H19.6.11記


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