今夜もまたここ熊本市の繁華街に出店する。

 今想えば5歳の時に母の田舎で大きな霊体験をしたことがこの道へと進む足掛かりとなった。そして小
学3年生になるとき親の転勤により転校となり近所に住む修験道の行者(僧侶)及び霊能者の女性先生
の家に出入りすることになり、これが今日の事を約束していたのであろう。
 またその霊能者の先生が言うには「あんたには今に人の運命を変える力が働くから今は一所懸命学校
の勉強をしなさい」と言われていたのを想いだす。しかし、学校の勉強よりも人の運命やそこにお伺いをし
に来る人達が来た時の暗い顔から、帰りにはとても明るい顔になってその祈祷院から帰って行くのが凄い
なと思い、とても不思議で楽しかったのを子供心なりに想い出す。

 さて今夜の第1号のお客さんは女性、しかも商売をしていると云う。今日は日曜日なので多分休日で街
まで買い物に来たようだ。
 「何がわかるの?商売の事もわかるのであれが見てもらおうかな?」と言われるので、
 「大丈夫ですよ、ここに出してもう10年近くになりますので」と、自己宣伝のトークをしてこの女性の
顔に目を移せば、なんと近々波乱がありそうなことがわかる、しかし直接言うのは避け、
 「近々取引関係等も相手の信用面など心を配ることも必要で、特に受け取り手形などに注意が要りま
すよ」と告げると、

 「えっ、そうなの、確かに商売だから手形での決裁はありますよ」と言われるので、 やはりと思うが、
 「充分注意されて下さい、特に暮れの11月から12月が星が弱いですから」と伝えると、そうかな?とも
とれる顔をされた。
 そして、見料を粗末な机に置くと人混みの中に見えなくなってしまった。
  半信半疑なのは仕方が無いのがこの仕事なのであるから・・・・・


 それからまた次の相談者が来る。今度は若い女性の二人連れ。その一人の女性が、
 「私はいつになったら結婚できるかわかりますか? そして相手はどんな人かもわかりますか?」と
質問する。
 「はい、わかりますよ、見てみます」と言い、お顔を詳しく拝見すると何のことはない、すでに交際して
いる人がみえたので、
 「貴女にはもうすでに決まった人がいて来年には結婚と出ていますよ」と告げると、二人とも
 「えっ、どうしてわかるの?」とビックリした声を挙げたのである。手相などではわかる筈も無い霊視
での力・・・・・
 そして当てた事によりこちらを信じたのかはわからぬが、もう一人の女性も恋愛の相談になったので
ある。

 それからこの二人連れが帰り7人のお客が来て終わった時には夜中の2時前になっていた下通りの
繁華街。終わると焼き鳥で一杯と考え、いつもの飲み処へと足が向かうのを止められなかった。



 次の日は夕方早く出店した。今の人通りであれば多分40人は来るだろうと踏んでいる自分がいる。
そして見台を出していると、
 「見てもらえますか?」と若い女性相談者、
 「はい、どうぞ」と言い手相を拝見すると何と金星宮が○○となっているではないか。これは風○関
連で働く容であり歳が若いということなど関係ないのである。
 色々事情があるのであろう、

 「貴女は今頑張って働いていますが今後も自分の信念を貫き進んで行きます。しかし3年後あたりに
は大きな決断を迫られることが起きて悩まれると思います。そのときにはまたここに来て下さい」と言
うと、
 「わかるのですね!」と返事をして見料を手渡すと急ぎ足で帰って行った。



 続いて来たのはまたしても若い女性、ここ歓楽街は水商売関連や風俗関係の店も多くそれなりに
お客も多い。すぐに手をとり拝見すると、
 「何か出ていますか?」と言う。成程、それを当てて欲しいのか?当たるか?と考えている事くらい
直ぐにわかると云うものだ。それをこの相談者は知る由もないし求めているのだ。そこで、
 「貴女は家族に内緒で今の仕事を始めましたね、そう出ていますが!」と答えると、
 「さすが!」との言葉が返ってきた。
 これからのことが不安で家族には隠して今風○で週2日アルバイトをしていると言う。そこで、
 生まれ星を見てみるとしばらくはバレルこともないようであるが、5月6月が注意のようで、
 「貴女の星が5・6月には注意と出ていますのでその月は配慮して下さい」と伝えたあと、この相談
者はそのことも覚悟して勤務しているのであろうと考えた。でなければ客商売であるから当然かとも
思うが。生まれ星に従い悪い月日を伝えると、
 「ありがとう注意するわ」と言い下通りの人混みの中に見えなくなって行った。

 それから33人の相談者を見れば流石に疲れが出て来る、今夜は目標の40人には届かぬが閉店
することにした。帰りには遅くまで開いているラ−メン店に行こうと歩いていると途中で知り合いと出
くわした。聞けばこれから食事に行くと言うので二人でそのラーメン店舗の暖簾を潜り熊本一番と云う
その有名店のラ−メンをおいしく戴いた深夜の下通りであった。



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