龍神堂本部
A


 翌日は少し早めに街に出掛けて行った。いつもより少し早いせいかまだいつもの商店は営業中である。
仕方なく閉店している店の横に出店した。時は昭和の43年・・・・・・

 日曜日ということもあってここ下通りの商店街はどこもかしこも大賑わいである。デパ-トの紙袋を下げた
買い物帰りのお客、家族連れであろう子供が嬉しそうに親と手を繋いで歩いている、買って貰ったのはオモ
チャであろうか。そして若い人特有の派手な格好をしたカップル達も皆楽しそうに話しながら歩いている商店
街。そんな中に混じって少し酔った足取りで隣の人とぶつかりそうになる男性、楽しい酒であればいいのだ
が・・・

 
それから間もなく「見て下さい」と女性の声、若い相談者である。いつもの如く
 「はい、何をみましょうか?」と返事をすると、
 「実は今交際している彼が嘘ばかりついて私を困らせるのです、今日来たのはどうして嘘ばかりつくのか、
その理由を知りたくて来ました、わかりますか?」との事。

 「理由が何なのか見ればいい訳ですね、わかりました」と返事をする。この手の相談は本人の思い込みや
勘違いなども多くあり、見るのは簡単でも説得が難しいことも多い、そこで見てみると、どうもその男は賭け事
が好きなようで金に関する災いの多い生まれと出たので、

 「これはお金が絡んでいまして本人には借金があり貴女にはそれがバレないようにするために嘘をつくよう
です」
 「えっ、本当ですか?」
 「はいそうです」と答えるとともに本人に聞きただしてみたらどうかとも伝えた。すると、
 「わかりました、一度聞いてみてそれからまたどうするかお聞きしに来ます」と言い、見料を置くと足早に立
ち去って行った。

 嘘は一度つくと次から次につかないといけなくなる、少しの嘘や思わぬ行動が原因で壊れる男女の仲。
対人関係しかり。

 続いて来た相談者は男性の二人連れである。いきなり黙って手を差し出す、こちらもその手をとり運勢を
みてみると、障害線が出ているではないか、そこで
 「仕事と云うか商売が暗礁に乗り上げていますね」と言うと
 「ほっ、良くわかりましたね」と言うので、
 「ほら、この線に出ていますよ」と言い示してあげると、もう一人の男もみてくれと言うので見てみると、
こっちの男にも出ているではないか、

 「一度原点に返り見直すようになりますね」と言うしかなかった。おそらくこの儘では閉店することになるで
あろうが最後迄進んでいくと見た。



 続いてきたのは中年男性、歳の頃50位か、
 「見てくれませんか?」との事で顔を見れば不幸の相がでているのがわかる。そこで何も聞かず、
 「顔色が良くなく注意とでていますが?」と答えると、
 「えっ、どうしてですか?」と言い、身を乗り出すので、
 「あなたには人から怨みを買う相が出ていて近々良くない事が起きそうですが」と言えば、何か思い出した
ようで、
 「それはもしかしたら不正の件かもしれませんね、今不正を追求している事があります」と言われる。

 「充分注意して処して下さい、貴方の体力と感の良さでしたら避けれるでしょう」と言うと少しは笑顔になり、
 「いつも注意はしていますが今日は指摘されましたのでまた気を引き締めて行きますよ」と言われ、見料
を置くと、急ぎ足で下通りの人込のなかに見えなくなった。



 
 世の中には不正をして金儲けをしたり、障害者と偽り年金騙し取りする商売人も多い。遠方に限らず近場
でも多い。しかしそんなことは何れバレルのである。この人も正義感が強く見過ごしにできない性分と見た。

 
不正がまかり通るような社会であってはいけない皆が迷惑する。
 
深夜の車の騒音、ドアの開け閉めの騒音他人は寝ているのに金儲けのためならば何時までも商売
する銭の亡者
、これを三障四魔とも云う

 
時計を見るといつしか深夜の1時を過ぎており,今夜は帰宅の途に就いた。   
    時は昭和の43年代の深夜の下通り商店街・・・・県下の有名一番店・太洋デパ-トありし下通り時代



 次の日もここ下通りに出店した、実力をつけ相談者の足が他の占師を観る事もなく自分に来るよう努力し
て行くことが、この仕事に志した証明になり、今まで何人もの人の死に出会ったことによりその人達の不運を
避ける知恵を提言できるのだ。

 そして直ぐにお客は来た。

 「何をみましょうか?」と聞けば、
 「お店を出すので名前をみてもらえるかしら?」と言う。 場所柄)水商売の人も多く中には県外からの人
も増えだした。そこで、提示された3つの中から霊視によりひとつをえらんだのである。

 字画だけで名前を選定してもろくなことはない、吉数が必ずとも吉にはならず他のところで選んだ名前や
店名で潰れたところは数限りないのである。

 そして念には念を入れてこの女性相談者の顔を拝見すれば、どうも亡くなった御きょうだいが守っている
ようで、

 「時々身近に感じませんか亡くなったお姉さんを?」と聞けば、
 「えっ、どうしてわかるの?」と言われたので間違いではなかったことが証明されて、これならこの人も
大丈夫だと確信した・・・・・・そしてお礼を言われ見料を見台に置くと、
 「開店したら飲みにきてね」と言い繁華街の人混みに見えなくなって行った・・・・・

 それから5人ほどの相談を享けたあと来たのは若い女性、
 「彼氏のことをみてもらえますか?」と言う。そこで
 「今一緒に暮らしていた彼氏がいなくなったんでしょう?」と問えば、
 「
えっ、なんでわかるの?」と言いビックリしているので、「商売だからわかりますよ」と返事をし、どこに
行ったのか?生きているのか?死んでいるのか?との相談になった。


  
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